2009年7月30日木曜日

オーストラリア視察02/運命的な気分




前回の更新からだいぶ離れたのでもはやオーストラリア感覚など微塵も体に残っていません。
それほど『下-1グランプリ』には何もかも持っていかれました。
しかも、イベント終了直後から始まったエンドレスなロケ日程。
なぜいい大人にもなって夏休みシーズンに週2度も富士山に行かねばならないのだろうか、今週も改めて人生を考えさせられます。

さて、今回の写真はカンガルー島で出会った、もの凄い格好いいやつの写真です。
オオハシをはじめ個人的にもともと変な鳥が好きではあったのですが、このカソワリー(=Cassowary)には一目でやられました。

全く捕まった感じがしない威厳ある風貌、巨大さ、あまり使わない角、ごつい足、殺傷能力、絶滅の危機、雌の方が強い、私が常々心懸けている服装=ほとんど真っ黒でいながらワンポイントでどぎつい配色と、外見からライフスタイルまで、私の好みを全く熟知したかのような“全部のせ”の生物です。
ダチョウ、エミューに次ぐ世界で3番目に大きな鳥でありながら、体重は2番目という感じも地味に意外性があっていいのですが、日本名で“ヒクイドリ”っていうのが気になって調べました。
来てるんですね、相当昔に
Wikiだと江戸時代末期ということですが、“火喰い鳥”だったとは……好感度上がる一方です。
じゃ、手塚治虫の『火の鳥』のか!?と思いましたが、どうやら違うという流れのようです。
どちらかといえば“Blue Meanie(a.k.a "Yellow Submarine”)ですかね、あんな能天気ではないですが。

ともかく鯨にもカモノハシも、日常的に轢き殺されたカンガルーの多さにも驚きましたが、カソワリーの存在には、いろんな意味で励まされたような気が勝手にしたのでした。
こんな美しく恐ろしい鳥を狩って食べるような生活も、気になる。

(続く)

2009年7月12日日曜日

オーストラリア視察01/浅過ぎる捕鯨調査




先週からなぜか真冬のオーストラリアに“視察旅行(X51.ORG佐藤氏のマネ)”に行ってきました。
何個か今後引っ張れそうなネタを拾ってきたのですが、まだなんとも整理がつかないのでダラダラとこの編集後記ページに上げてゆきます。

まずはシドニー近海でWhale Watchingに行った時の模様。
冬の寒さをしのぐため北上する鯨を観るにはこの時季が絶好とのことで、ガイド女史(シドニー在住10年)に連れていってもらいました。

はっきり申しますと「おい、日本人がクジラ観にきてるぜ! 食べられるから早く逃げた方がいいぜ」的な展開を豪州人から見舞われることを半ば期待していたのですが、全くの見当外れ。
同乗の現地人研究者には丁寧に潮噴きの見つけ方を教えてもらいました。

船で近づいていい距離は年ごとに変更されるのですが、今年は300メートルまでが限界。
そのあと鯨の興がのって近づいてくる分にはいいとのこと。
船酔いにめげそうになりながらも後半にはアクティブなザトウクジラが現われ、見事にジャンプするところまで観られたのですが、その瞬間の写真は撮れず。
動物系写真家諸氏の苦労を痛感しました。

帰り際にガイド女史と雑談。
「景気は?」「美味いレストランは?」等に紛れて、
「日本人なのにオーストラリアで鯨ガイドしててなんか問題ないですか?」と質問。
「観光シーズンのこの時季と日本が捕鯨する夏(2月頃)は鯨が新聞の一面に載ることが多いです。“さぁ、鯨を観よう”っていうのと“日本の船がここまで捕りにきてる”っていうことで。だから捕鯨のシーズンは日本人であることを強調したくはないですよね……」

悪いこと聞いたなって気と、いいこと聞いたなって気と。

(続く)